健康を意識する 薬の働くしくみについて。

こんにちは。

サッチー先生です。

本日のテーマは「薬の働くしくみについて。」です。

あなたは、飲んだ薬がどんな風に吸収されて、薬の効果を発揮するかご存知ですか?

今回は、私の本業に深く関わるところから、意外に知られていない薬の働く仕組みについてご紹介します。

 

まずは、飲んだ薬はどうなるか?です。
・最初に腸で吸収

口から飲んだ薬は、食道を通って胃に入り、胃から腸へ移動している間に溶かされます。そして、主に十二指腸から小腸の間で多く吸収されます。複数の薬を一緒に飲むと、一緒に移動しながら薬同士で、あるいは薬と食物などが作用し合って、相互作用を起こすことになります。

・次に肝臓で解毒(代謝)

腸で吸収された薬は、静脈に入り、まず門脈という腸から肝臓に血液を送る血管を通って肝臓まで運ばれます。肝臓は外から入ってきた異物、つまり、自分の体にとって不必要なものを解毒する働きがあります。薬も異物の一種ですから、この働きを受けて解毒され、作用を無くすものが出てきます。解毒は、薬物代謝とも呼ばれます。代謝には薬物代謝酵素(主にチトクローム)が働き、代謝酵素の働きが強かったり、弱かったりすると薬の作用が弱くなったり、強くなったりします。

・血液から全身に

肝臓に入った薬は代謝されますが、一回で全部を代謝することはできません。初めて肝臓を通った(初回通過効果)あとも、血液の循環に従って何度も肝臓を通り、そのたびに代謝されながら、徐々に薬の成分をなくしていきます。また、肝臓以外の臓器でもいくぶんか代謝が行われて、体全体で薬の作用を消していますが、特に肝臓は、この働きを専門とする臓器となっています。

初めて肝臓を通った薬は、代謝されたものも、されなかったものも全部、血液の流れに従って心臓に行き、心臓のポンプの働きで体のさまざまな部位に運ばれます。体の循環へ入った薬は、一気にすべて作用するとは限りません。血液中のたんぱく質(主にアルブミン)と結合するものと、しないものに別れ、血液中で結合しているものは、薬としての働きを停止し、結合していないものがフリー体と呼ばれて、作用部位に作用して薬効を現します。

・排泄

薬は血液とともに循環している間、作用点に作用する一方、大便や唾液や汗、あるいは腎臓から排泄されて体外へ出ていきます。この中で排泄の主役は腎臓が担っています。腎臓は1日190リットルもの血液を濾過してキレイにし、99.2%は体に再吸収されますが、このとき、薬の一部もまた再吸収され、再び肝臓や心臓をめぐって排泄されたり、再度また吸収されたりします。一度飲んだ薬はこうして何度も循環を繰り返しながら徐々に排泄されて、姿を消していきます。


 

続いて、薬の作用の仕方についてです。
薬の作用のしかたには、全身作用局所作用があります。

全身作用とは、体の中に吸収された有効成分が、循環血液中に移行して、全身をめぐって作用を現すことです。

局所作用とは、薬を使ったところが、局所的に作用するところとなることで、作用の発現は比較的に速やかです。(目薬や点鼻薬、湿布薬などが局所作用を示す薬です。)

違いは、循環血液中に移行するかしないかです。

内服薬は全身作用、外用薬は局所作用が多いです。

ただし、例外もあります。副作用も、全身作用によるもの、局所作用によるものがあります。

薬が作用する部位に到着するためには、吸収されることが必要です。
消化管吸収① 錠剤、カプセル剤などは吸収の前に崩壊です。有効成分が溶け出します。

多くの錠剤、カプセル剤などの固形剤は、胃で崩壊し、溶け出します。溶け出し方に工夫がなされているものもあります。(腸溶性製剤:腸で溶ける薬)

消化管吸収② 内服薬は、吸収されて全身作用を現します。
消化管吸収③ 吸収の場は主に小腸です。積極的に吸収されないのが一般的です。
消化管粘膜以外の吸収部位は直腸粘膜、口腔粘膜、鼻腔粘膜、目の粘膜、咽頭粘膜などです。

粘膜の下の静脈に有効成分が吸収されて循環血液中に入り、全身にめぐり、全身作用を現す。

皮膚に使用する薬は作用部位まで浸透して作用し、循環血液中に入る量は比較的少ないです。

皮膚から全身への吸収は、肝臓を通らずに、いきなり循環血液中に入ります。吸収量は少ないですが、使用量、使用面積などによって全身性の副作用が現れる可能性があります。

代謝とは、体内で物質が化学的に変化することです。
薬の代謝は、主に肝臓の細胞内の酵素でされます。
薬の排泄は主に腎臓から尿中へ行きます。
乳汁も薬の排泄経路のひとつです。

乳汁中に移行する薬は、代謝を受けていないものが多いので、薬を飲む際は、乳児への影響に注意します。

血液に乗った薬は、目的とする部位の受容体に結合して作用を現します。
薬が作用を現すためには、一定量以上の量が必要です。

器官や組織の薬の量を調べるのは大変なので、血液中の濃度(血中濃度)が目安とされます。最小有効濃度を超えたとき、薬の作用が現れます。

用法、用量を守ってください。守らないと薬の有効性より毒性が強く現れる場合があります。

薬を使用する人の年齢、身体の状態、使用部位などに応じて適切な剤形を選ぶことが大切です。

参考動画がありましたので、ご覧ください。↓↓

https://youtu.be/B_c7PSu5zoA

 

医薬品は、用法・用量を守って正しくご使用ください。

本日は以上です。

有難うございました。

次回のブログでまたお会いしましょう。

 

 

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